中学受験をするためには


中学受験とは

小学校から中学校へ進学する際に、一部の小学6年生が、国立中学校や私立中学校など、選抜制の入学制度を持つ中学校の入学試験を受験するのが中学受験です。

中学校までが義務教育となっている日本では、あえて私立の中学校への進学を希望しなくても、公立の中学校へは誰でも進学可能です。それにも関わらず、私立中学校の数が多い首都圏や京阪神地区では私立中学への進学を目指して毎年数多くの小学生が受験します。

公立中学校にはない教育理念や、国が定める学習指導要領にしばられない独自の教育姿勢などが人気の要因とされています。

私立中学は入学試験を行って自分の学校に来て欲しい生徒を選抜します。考える力、学ぶ力を判断し、学校側としてこのくらいの力は持っていて欲しいと思う生徒を選抜する試験です。そのため私立中学の入学試験は公立の小学校での学習内容をはるかに超えた内容が出題されます。普通に小学校の勉強だけをしていても太刀打ちできないのが中学受験です。

 

受験までの準備期間

受験までの準備期間はいつ中学受験を意識するかによって変わります。小学校低学年の頃から中学受験を意識して子供の教育を行っている家庭もありますし、6年生になってから塾へ通いだし、本格的に中学受験に取り組むという家庭もあります。

また、国立、もしくは私立中学校への進学を見据え、低学年の頃から保護者とともにじっくりと家庭で学力をつけて最終的に学習塾へ通わずに中学受験を突破する家庭もあります。その場合は実際にはかなり長い準備期間がかかっているということになるでしょう。

ごく普通の受験生の場合は、4年生から、遅くても5年生の春には学習塾に行かないと中学受験で合格するのは難しいと言われていますので、中学受験には2年もしくは3年間の準備期間が必要ということ。これは決して短い期間とは言えませんね。

 

私立中学受験者数の動向

私立中学を受験する小学生は2001年以降急速に増加傾向にあります。

日能研の調査数値を参考にすると2006年3月卒業の小学生数役29万4千人のうち公立一貫校を含む中学受験者の数は約5万3千人、応募者の総数は28万7千人となり1992年の数字を上回り過去最高だった2005年をさらに上回る結果となっています。

首都圏全体の受験率は16%超えた2005年を更に上回り約18%、都県別にみると神奈川13%強、千葉11%強、埼玉15%弱、東京にいたっては約28%と、小学生の3~4人に一人は受験する状況です。1990年代初めの中学受験ブームに比べ少子化が進んでいる中での受験者数増は経済的な格差の存在があからさまに浸透してきている現在の社会情勢を反映しているとも考えられます。

 

出典: 中学受験の基礎手引き

 

 


中学受験をするなら、今や塾通いは必須です。

 中には「うちは通信教育だけで受験をした」という家庭もありますが、それは私立中学受験の経験を持つ親が、塾の指導に匹敵するくらいの熱心さと丁寧さで、子どもの勉強を見てあげられたとか、あるいは子どもが勉強しなくてもよくできるある種の秀才だった場合など、ごくまれなケース。正直あまり参考にはなりません。

 

 では、なぜ中学受験には塾が必要なのでしょうか? 例えば、同じ受験でも、高校受験と大学受験は学校の延長線上に入試があるため、学校で学ぶ勉強と入試問題の内容が大きくかけ離れてはいません。ですから、学校で学ぶ内容を地道にコツコツと勉強していれば、塾へ通わなくても合格することが可能です。

 

 ところが、中学受験に限っては、小学生が習うべき学習範囲内の内容と定められているにもかかわらず、小学校で勉強する内容とは大きくかけ離れている面があり、学校の勉強だけではとても入試に対応できないのが現状です。

 

 小学校での授業というのは、「一つのことを実行すれば答えが出る」という非常に単純な作業のくり返しで、いわば基礎訓練のようなもの。

 

 こうした基礎訓練はもちろん大切ですが、中学受験の入試問題は、それをさらに発展させた問題が出題されます。例えば、算数の問題には数学の発想とは異なる「中学受験の算数」が必要になり、それを学校で習っていない子どもはとても解くことができません。また、親自身が中学受験を経験していないと、教えることも難しいでしょう。

 

 

 「中学受験をするのなら、大手受験塾に通わせるのがいいでしょう」

 そう口をそろえて言うのは、「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』」というサイトで各塾の特徴や傾向、勉強への対策をアドバイスしている西村則康先生と中学受験個別指導塾SS-1代表の小川大介先生です。お二人は大手受験塾に通う生徒を中心に、フォローアップから応用・発展まで、集団塾では補いきれないものを、西村先生は家庭教師、小川先生は個別指導塾というスタイルで指導しています。

 

 そんなお二人が「中学受験をするなら、まずは大手塾へ」と言うのには理由があります。

 

 

■大手塾には受験に必要な学習カリキュラムがある

西村先生は言います。

西村則康先生

 「それは、大手塾は受験に必要な学習カリキュラムをしっかり作っているからです。また、多くの学校の入試問題の傾向と対策のノウハウを蓄積しているのも大きな強みです」

 

 「一般的に中学受験の準備が始まるのは、小学3年生の2月から。大手受験塾の中学受験コースのスタートがその時期だからです。そこから入試本番までの3年間、各塾では中学受験のためのカリキュラムを用意しています」

 

 「例えば各学年、平日用のものだけでなく、土日特訓用、夏休み特訓用、志望校別特訓用など、いつ何を勉強するかという学習スケジュールがしっかりと組み込まれており、それに沿って学習をしていけば、モレがなく、効率的・効果的に勉強を進めることができるようになっています」

 

 「また、大手塾は、中学受験のためのテキストやテストの作成もしており、そのための研究にも力を入れているため、常に最新の入試の動向を把握しています。また、一般にはあまり知られていませんが、学校とのパイプも強く、塾で学ぶことが受験生にとって有利に働く場合もあります」

 

■こんなに違う大手中学受験塾の中身

 「SAPIX」「日能研」「四谷大塚」「早稲田アカデミー」など、駅前に競い合うように並ぶ大手塾の看板。駅から近く通わせるには便利そうですが、大手塾ならどこへ入れても同じなのでしょうか?

 

 「いいえ、そんなことはありません。ひとくちに大手塾といってもその中身は様々で、それぞれに特色があります。また、先ほど、中学受験には大手塾がお薦めと言いましたが、大手塾にさえ通わせていれば合格は確実というわけでもありません。確かに大手塾のカリキュラムは受験には有効ですが、それはお子さんにとってその塾のやり方や環境がマッチしていた場合であり、逆にミスマッチだった場合は、その効果が表れないだけでなく、塾が原因で勉強嫌いにさせてしまう恐れもあります」(小川先生)

 

 では、各大手塾にはどんな特徴があるのでしょうか? 首都圏の大手4塾のそれぞれの特徴を西村先生と小川先生に聞いてみました。

 

出典: 日経DUAL

 

 


中学受験に合格したいなら塾の本質を見抜け

合格実績や営業トークに惑わされない選び方

中学受験の本番まで、地域によってはすでに残り1カ月を切っている。小さな受験生たちは懸命のラストスパートを競い合っていることだろう。塾の先生たちも子どもたちを励まし、ときには心を鬼にして追い込み、教え子の合格を願っているはずだ。

 

一方で、毎朝投函される新聞には、たくさんの塾による生徒募集の折り込みチラシが挟まれている。この12月から翌年の2月までが中学受験塾選びのピークだ。現在の小学6年生が入試を終えると、中学受験塾ではすぐに新年度が始まる。

 

「新小学4年生」と呼ばれる小学3年生の2月から塾に通い、受験勉強を始めるのが中学受験塾のスタンダードだ。ちょうど丸3年間を塾で学ぶことになる。

 

中学受験勉強はゴールのわからないマラソン

しかし「新小学4年生」の時点で、「今の自分の学力はこの程度だけど、最終的に必要になる学力はこのレベルだから、これからの365日×3年間で毎日これくらいずつ勉強しなければいけない」などと考える小学生などいるわけがない。

 

「とにかくがんばらなければならない。でもいったい何をすればいいの?」というのが小学生。そこが高校受験や大学受験とのいちばんの違いだ。まるでゴールがどこにあるのかすらわからないマラソンを走っているようなものである。

 

想像してみてほしい。「あなたにはこれから3年間、毎日走ってもらいます。しかしゴールまでの距離はわかりません。とにかくずっとずっと遠くです。でもとりあえず走り続けてください」といわれて走り出すことを。そんな状態で、しかも小学生に、「とにかく自分で考えて走り続けなさい」と言うことはほとんど拷問。肉体よりも先に精神がやられてしまう。

 

「何かをしなければいけないプレッシャーをひしひしと感じながら、でも具体的には何をしていいのかが明確になっていない」というのは、人間にとってたいへんつらい状態なのだ。

 

 

塾の違いはスモールステップ(短期目標設定)に表れる

そこで、現在地からゴールまでの距離と方向を知っていて、期限までの日数で毎日走るべき距離を割り出し、ペース配分を考えてくれるコーチが必要になる。

 

 

『親が後悔しない、子供に失敗させない 中学受験塾の選び方』(おおたとしまさ著、ダイヤモンド社)上の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

コーチは、「今日はとりあえずあの電信柱まで全力疾走しよう!」などと小学生を鼓舞する。小学生も「うん、わかった!」と電信柱のことだけを考えて走る。

 

電信柱まで到達すると、「うまく走れたね!」とか「ちょっと調子が悪かったかな? どこを改善しようか」などと励ましながら、「じゃ、次はあそこの橋のたもとを目指してみよう!」と続く。

 

それを繰り返すことで、いつの間にかとてつもない距離を小学生に走破させ、小学生の目にもゴールが見える場所まで導く。最後は子ども自身がゴールに向かってラストスパートする。それが中学受験勉強だ。

 

本当にきついのはラストスパート。そこだけを切り取ると中学受験は過酷なレースだ。しかし、ラストスパートまでの道のりは、いろんなタイプの小学生と、それを応援する親と塾の講師の、笑いあり、涙ありの珍道中。その道先案内人が、中学受験塾の役割ということになる。「千里の道も一歩から」。短期目標設定の仕方が中学受験塾の腕の見せ所である。それが子どもに合っているかどうかが、塾選びの肝となる。

 

合格実績はもちろん大切だ。自分の子どもの学力に合う塾を選ぶのが前提。そのうえで、志望校合格という目標を、どういう基準で小さな目標に切り分けるのか、どういう動機付けでそれに取り組ませるのか、達成感はどんな形で味わわせるのか、いかに忘却曲線にあらがうのかに注目してほしい。

 

「週テスト形式」か「復習主義」か? 親の関与度は?

かつては「週テスト」形式が人気だった。毎週決められた単元について学び、その成果を週末のテストで試す。毎週末テストがあることについては「小学生なのにかわいそう」という批判があるが、「がんばれば良い点がとれる。がんばらなければやっぱりだめ」という単純明快な目標設定が小学生にはわかりやすいのである。「週テスト」という区切りがあるからがんばれる。

 

それが、大きな目標を一度に視野に入れることのできない小学生への思いやりなのだ。ただし、目先の単元別テストの点数ばかりにとらわれてしまうと、総合的な実力が身についていないことがあるという落とし穴がある。

 

もう一つ、最近流行しているのが、週末のテストがない代わりに大量の宿題が出されるパターン。とにかく目の前の大盛りの宿題を消化することだけを考えればいい。授業で習ったことを家庭で反復練習するスタイルであることから、「復習主義」などとも呼ばれる。

 

「大量の宿題」についてはやはり「かわいそう」と批判があるが、これも、思いやりである。余計なことは考えず、とにかく目の前のことに集中すればいい状況を作ってあげているのだ。ただし、消化不良が怖い。周りの大人が適量を見守ってあげることも必要だ。

 

あえて違いを明確にするならば、「週テスト」形式の塾は「メリハリタイプ」の子ども向き、「復習主義」形式の塾は「コツコツタイプ」の子ども向きといえる。

 

「週テスト」方式を採用していることで有名なのが四谷大塚、「復習主義」で有名なのがサピックスである。

 

最近勢いのある早稲田アカデミーはこの両方のハイブリッド型。週テストもあるし、大量の宿題もある。逆に、サピックスほど宿題は多くなく、週末のテストは2週に1回という中庸スタイルが日能研だ。

 

関西では、浜学園、日能研関西、希学園、馬渕教室が灘中合格実績で上位。いずれも復習主義を掲げているため、各塾がスピードと量を競い合う青天井の競争状態になっている。これらの塾の演習量とスピードは、関東のサピックスを凌駕するというモーレツさだ。

 

ということは、子どもにどこまでやらせられるかが勝負の決め手になってしまう。そこで、関西では授業の後に自習室で勉強させたりオプション講座で演習量を稼いだりする塾が多い。塾での拘束時間が長ければ、それだけ親の関与度は下がる。関西では、塾での拘束時間が塾選びの一つの基準になる。

 

合格実績やセールストークに惑わされてはいけない

各塾の「スモールステップ」の違いについては拙著『親が後悔しない、子どもに失敗させない 中学受験塾の選び方』に詳しく記した。関東の大手7塾(日能研、四谷大塚、サピックス、早稲田アカデミー、栄光ゼミナール、市進、ena)と関西の大手9塾(浜学園、日能研関西、馬渕教室、能開センター、成基学園、第一ゼミナール、進学館、希学園、京進)の「スモールステップ」を徹底的に取材した。

 

どんなにベストを尽くしても志望校に合格できるかどうかがわからない。それが中学受験。だからこそ、「この塾が最高。ここでダメならしょうがない」と思える塾を選ぶことがことさら大切だ。

 

合格実績だけにとらわれたり塾のセールストークに惑わされたりせず、しっかりと「スモールステップ」を理解して中学受験塾を選んでほしい。

 

出典: 東洋経済

 

 


まだ間に合う! 中学校受験合格

 

中学受験。

 

目指す学校によって難易度は様々だと思いますが、せっかく受けるのであれば、試験まで楽しく前向きに進んでいきたいものですね。

 

そしてその結果が第一志望中学校への1発合格であれば、受験するお子さんはもちろん、お父さんやお母さん、家庭のみんなが幸せになれることと思います。

 

中学受験に合格するために、多くの家庭では小学4年生や5年生あたりから受験に向けた勉強に取り組みはじめるご家庭が多いと思いますが、我が家では小学校6年生になって急に「私立中学に行きたい!」と言い出したため、そこから中学受験に向けて準備をはじめ、何とかぎりぎり間に合って「合格」

することができました。

 

 

この1年間、色々と回り道や苦労を重ねて中学受験に1発で合格

した経験から得た、中学受験で失敗しないために必要な「志望校

の選び方」や「学習塾、家庭での勉強方法」、「各教科のポイント」

「模試の活用のしかた」といった勉強面だけでなく、

 

「お母さんの役割」、「お子様への接し方」等、生活やメンタル面で

大切だと思う事柄もできるだけまとめてみました。

 

特にいちばん身近にいて、ヒヤヒヤ・ドキドキ、何かと気をもんだりし

てしまうお母さんには見てほしい内容です。

 

これから私立中学を受験しようかと考えている小学生をお持ちの

ご家庭の皆さまに参考にしてもらえればと思います。

 

出典: 中学受験 お母さんと乗り切る中学受験必勝法